速読力鍛えたい、そう思うのは皆共通のことです。速読テクニックは数あれど、それを試したところで結局は読むスピードが本質的に上がらないなんて人も多いと思います。
慶応大学は2,3000ワードの英語が書かれているらしく、TOEICの試験でもPart7だけで4000ワードあります。それを考えると
となるのも自然なことです。英語の試験に挑むときには常に読解スピードというものが問題となってきます。
それでは、一体なにをどうすれば英語を早く読むことができるのでしょうか?
多読の方法
まずは多読とは何か、そしてその方法についてお話します。
多読とは
多読とは英語で書かれた文をたくさん読むことです。読む題材は何でもよく、類似する試験問題、ニュースサイト、英字新聞、洋書など本当にいろいろです。
私がおすすめする多読の題材は、試験への効果は間接的ですが、洋書です。どうしても英字新聞を読みたいと望む難易度至上主義の方は一旦ぐっとこらえてください。ニュースサイトや英字新聞の多読は英語の点数が十分にとれてからにしましょう。
”難しい英文を読めば簡単なものが早く読めるようになる”なんていうのは合理的に見えるマヤカシです。”東大の数学の問題が解けるようになれば、センター試験数学が簡単に感じる”と言っているようなものです。
多読の方法
とにかく読むことが大事なのが多読です。数をこなすことに重きをおきます。パッと読んでわからないような英文が出てくるのはあまりオススメしません。知らない単語が出現する頻度が高い題材も避けましょう。
数をこなすことに重点をおけば、難しい英文とはおさらばすべきです。例えば京都大学や東京大学で出される英文和訳問題レベルの英文です。無意味に複雑で読みにくい英文を早く読めるようになる必要はないのです。
辞書は絶対に使わない
多読の効果に速読力を求めるのなら”簡単な文を読めるスピード”を徹底的に上げていくことが第一です。そのためには辞書無しでも読める語彙レベルの洋書を選んで数をこなしていきましょう。それが多読の方法です。
多読の効果
多読の時に辞書は絶対に使ってはいけないと書きました。多読の効果を一つのポイントに絞っているためです。
速読力は簡単な分を速く読むため
「簡単な文が早く読めたって、実際に試験に出てくる文は簡単じゃないんだから意味がない」と思う方はいらっしゃいますか?
本当にそうでしょうか?実は試験問題の英文が全て複雑なわけではありません。例えば大学の和訳問題に出てくる英文に関して言えば、この難文を速読する必要ないわけです。
要約問題についても同様です。2000ワードの長文問題でも、そこに書かれている英文全てが難しいわけではないのです。実際、すらすら読める部分とすらすら読めない部分はあるでしょう。すらすら読めない部分のせいで結果的に読むのが遅くなるわけです。
辞書を使わない多読の効果としては、簡単な文を読む速度をあげることともう一つ、”簡単な文”の範囲を広げていけることがあります。結果的に難しいと思っていた英文も簡単な英文だと感じるようになって、全体としても読むスピードがあがるわけです。
難しい文はコスパが悪い
簡単な英文が50%、難しい英文が50%あったと仮定しましょう。簡単な英文を読む速度を上げることと、難しい英文を読む速度をあげること、どっちが簡単だとおもいますか?そういう話です。
多読の本当の効果
多読の本当の効果は、実は、速読力を鍛えるという点ではありません。”英語での表現力が豊かになる”というのがメインポイントなのです。良いなと思う英文と出会ったときに、その表現を自分の中にストックできますからね。
とても気になる英文があればネットで調べたりなんかして他の使い方も学んでいく。そうして総合的に英語力をあげることもできるわけです。
知らない語彙がでてきても文脈から判断できるようになります。その語彙が繰り返し使われていたら日本語を介すこと無く英語の意味が頭に定着するので、本当の意味での語彙力強化ができるのです。
ただし”読む速度が云々”と嘆いている人たちにとって、この本当の意味での多読は、立入禁止区域ですが。
制限的な多読をすべし
読む速度を上げたい人たちに、知らないモノまで学ぶ余裕はないはずです。表現だとか語彙の本当の意味だとか、そういう効果を期待するのではなく、とにかく簡単な文の範囲を広げていくことと、その処理速度をあげていくことが重要なわけです。
まとめ
学習をするうえで大事なことは、目的をもって学ぶということです。目的が分散していては効果も分散します。速く読みたいなら速く読むための多読の仕方をしましょう。ニュースサイトや英字新聞を見まくるなんてバカな真似はせずに、身の丈にあった教材を使いましょう。
ここまで読んでもらって非常に申し訳ないことではありますが、実は、多読は速読に効果的な方法ではありません。多読の本当の効果を考えてもらえれば、明らかです。多読の効果とは、自分の中の英語の世界をじわじわと広げていくというところにあります。
英語を早く読むために多読をするのなら、速読という目的に合った多読の仕方が必要ですが、多読それ自体はそこまで速読に効果がないという元も子もない結論です。