大学数学の参考書・教科書のおすすめを分野別に紹介【予習・独学用】
大学数学を勉強したいけど参考書がありすぎて分からない

という方のために、ワシントン大学大学院で数学を学ぶ私が”大学数学のおすすめのテキスト”を紹介します。

経済や理工系の方におすすめの参考書と物理・数学・統計学科におすすめの参考書を載せてるので、目的にあった参考書をみつけてください。

こんな方は必見

  • 大学数学を独学したい
  • 高校数学に飽きたから先取り学習をしたい
  • 社会人として趣味で数学を勉強したい
  • 数学科の数学テキストをしりたい

数学科1年生or全学生レベル

専攻によらず全学生が学ぶべき分野「微積分」と「線形代数」のテキストを紹介します。

微積分の教科書の定番:数物向け

微積分を学べるど定番のテキストがこの解析入門です。

数学を学ぶすべての人が最初に解析概論か解析入門かを選ぶんですが、私はこの解析入門をおすすめします。

内容は以下の通り、微積分から級数までです。

  • 第I章 実数と連続
  • 第II章 微分法
  • 第III章 初等函数
  • 第IV章 積分法
  • 第V章 級数
  • 附録1 集合
    附録2 論理記号

極限の定義から始まり、厳密に”数学”していきます。

なぜ解析入門がおすすめなの?

それは説明するまでもなく、数学を学習する者は皆通る道だからです。

高校数学での微積分がどれほど曖昧だったかを思い知ることが出来るでしょう。

効率よく勉強したいなら:経済・理工向け

上で紹介した「解析入門」は定番ではあるのですが、いきなり初学者が手を付けるには敷居が高いのも事実です。

そういう人にはマセマシリーズの微積分をおすすめしておきます。

専門に関わらずおすすめできる初等的かつわかりやすい本です。

簡単な参考書を使って学習をすれば全体を俯瞰して見ることができます。

解析入門などの難しい参考書を使うのは、まずは簡単な参考書を用いてからでも遅くありません。むしろ学習が効率的にすすみます。

とん
最初から完璧を目指さないのが大学数学を学習する上でのポイント!これは全学部全学科に言えること!

線形代数のバイブル:数物向け

線形代数もド定番の参考書があります。線形代数入門です。

線形代数って何を勉強するの?

と気になる人もいると思いますが、簡単に言えば「ベクトルについて」を勉強します。

この線形代数のテキストは、数学的にかなり論理的に書かれていて学習効果が高いです。

すべての証明をしっかりと追うことができれば、数学科生に必要な力は養っていけることでしょう。

線形代数入門は行間があって学習ハードルが高いので、数学力に自信がない人はあとでおすすめする線形代数学をおすすめします。

内容は以下の通りです。

  • 第1章 平面および空間のベクトル
  • 第2章 行列
  • 第3章 行列式
  • 第4章 線型空間
  • 第5章 固有値と固有ベクトル
  • 第6章 単因子およびジョルダンの標準形
  • 第7章 ベクトルおよび行列の解析的取扱い
  • 附録I 多項式
    附録II ユークリッド幾何学の公理
    附録III 群および体の公理

勉強方法としては定義や定理を一字一句書き写しながら理解していくと良いです。

この教科書に対応した演習問題集もあるので大学院入試を考えている方にも最適です。

難しいと感じる人

上で紹介したテキストは、やはり初学者には難しい面があります。

イメージがしにくく、特にジョルダン標準形から先を読もうという気になる人はまずいないはずです。

理工系や経済学で線形代数をしっかり学びたい人には線形代数学をおすすめします。

これでも難しいと感じる方ももちろんいると思うので、やはり最初はマセマシリーズでいいかもしれません。演習本もあるので最低限の大学院入試対策にも対応できると思います。

大学2年生で習う数学の教科書

位相空間論:数物向け

集合・位相入門はもはやベストセラーと言ってもいいほど質が高い参考書です。

これをやっておけば位相単体を今後勉強する必要はないレベルの参考書です。

ただ、集合論や位相論を学習する上で気をつけなければいけないことがあります。

集合論って響きがかっこいいよね

と、位相論や基礎論にも興味を持ち始める数学難民が多いです。

これらの分野は底なし沼なので、ある程度の知識を吸収したらすぐに足を洗うのが正解です。

本書は丁度いいレベルで抑えてくれているため、知識の過不足が起こらない良書だと言えます。

位相空間論に関しては経済・統計系の人は学習をする必要はないです。

抽象度が高くしかもあまり役に立つ感覚もないため、理工系でも学習の意味はわかりません。

理論系や数物学科の人であればマストといえるでしょう。

位相は副読本も必要

位相空間は大学数学で最初に学ぶ究極の抽象数学です。

距離とは何なのか、近さとは何なのか、空間とは何なのか。

そういうことを抽象的に学んでいきますが理解しにくい分野なので、副読本を用いていろんな角度から学習することをおすすめします。

そして、副読におすすめなのが集合と位相です。

本書はシンプルかつ丁寧に書かれていて、具体例もあるので非常に理解が進みます。

位相空間論に関しての演習問題はテキスト内の練習問題をこなすだけで十分です。

代数学の鉄板参考書:数物理工向け

代数学はいろんなおすすめテキストがあるのですが、ここでは代数系入門をおすすめします。

代数系入門も代数を初めて学習する人におすすめするテキストで、代数学の基本的な事項を一通り勉強することができます。

それこそ、5次以上の代数方程式は解の公式が存在しないなど、ガロアの定理までしっかり学べます。

ちなみに、私はガロアの定理のことは既に忘れています。使わない知識は忘れていくのは悲しい所。

高校生レベルからの導入なら

代数系入門は高校生には難しいですが、高校生でも理解できる代数のテキストがあります。

代数と整数の基礎です。予備知識不要で、高校生でも読み進められるため、数学が好きな人なら読めるはずです。

もしくは、前述した代数系入門が難しい人は、一旦この本を読んでみてもいいかもしれません。

簡単なものを学んでから、難しいものを扱うのは数学を学ぶ上で大事なことです。

経済系の方は代数学を学ぶ必要はないのでスキップしましょう。

統一的に学びたいなら

上で紹介した代数系入門や集合位相入門の著者、松坂先生のテキスト一覧があります。

洩れなく学習したい方は棚買いしてみてはどうでしょうか。

この6冊で数学科が1,2年で学ぶ内容は網羅できています。

まだまだ終わらない

  • 微積分
  • 線形代数
  • 集合位相
  • 代数

のおすすめ参考書・テキストを紹介してきましたが、今後も追記で参考書情報をまとめていく予定です。

特に確率論や統計学についてのテキストを細かく紹介していくので楽しみにしていてください。

以下、興味がある分野などがあったら是非コメントなどでお知らせ下さい。

複素解析、関数解析、フーリエ解析、微分方程式、多様体、確率論、確率解析、確率微分方程式、統計学、金融工学

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