受験間近の1月に阪大理系志望の方から指導依頼を受けました。
先日推薦入試で合格されたとの報告を受けたので、結果的に一般試験は受けてませんが、青本での点数で5割を取るようになったので指導法についてまとめます。
阪大文系数学については【大阪大学合格】阪大数学1割だった生徒がたった3ヶ月で7割取れた方法】の記事をどうぞ。
バックグラウンド
数学以外が完璧すぎる
メールで依頼を受けたとき、生徒の現状について聞きました。
共通テスト結果は7割を超えていて、阪大模試や過去問等での2次得点率は下記のようになっていたそうです。
英語 | 平均点+30 |
理科 | 平均点 |
数学 | 平均点ー60 |
特に英語力が端的に言うとヤバめで、共通テストでもほぼ満点だそうでした。
一方数学は点が取れておらず、自信も無くしているようでした。
答案のレベルはすごく高かった
数学の点数がここまで低いのは必ず原因があります。そう思って生徒が解いた過去問の答案を送ってもらったところ、原因が一目で把握できませんでした。
答案のレベルがすごく高かったからです。
助長な文が多いものの、ある程度の記述力はありました。問題の解き方も工夫していて、初等幾何の知識・知恵ももっていました。
何故ここまでの解答が書けて2割しか取れないのか?
その謎が解けたのは指導1回目の時でした。
条件処理力・計算力が乏しい
発想や知恵に頼って解く方法を身に着けていたため、「数学をする」ことが出来ていませんでした。
条件と目的を書き出しさえすればただの計算になる問題も、手の運動のはずである計算問題も、解けていませんでした。
本人曰く数Ⅲ分野が苦手と言っていましたが、問題はどうやら数Ⅲではなく「数学の捉え方」でした。
阪大は計算だけで5割は取れるようになっていますが、逆に言えばこの計算問題を解けないようでは、整数や確率といった発想問題で点を取らなければならず、だから点数が安定してなかったんです。
整数や確率は数学の中でも水物要素が強いので、全く点数が安定しません。私自身も苦労することがあります。
そういったことから、計算問題を解けるようにすべく、指導をしていきました。
5割取るための対策・指導法
まずは計算
問題を解く際、一番最初に計算ミスをしてその後全部不正解なんてことが度々あったので、まずは計算力をどうにかすることにしました。
数学の計算革命という本を買ってもらって、毎日数学の勉強を始める前30分は計算問題で頭を慣らすことを約束してもらいました。
計算は運動前のウォーミングアップと一緒なので、計算ミス防止&計算力向上のために毎日30分ほどやってもらいました。
苦手克服オリジナル問題
条件処理力が弱かったので、克服してもらうためにこちらで問題を30問ほど作って1日2題ほどずつやってもらいました。
これで出来ない事・出来る事が浮き彫りになりましたし、問題文を読み込む力や条件をとらえる力は段々とついていったように思います。
課題サンプルはこんな感じです。
阪大過去問
課題として阪大の2000年~2021年の過去問から問題を出しました。
解けなければいけない問題を毎日2,3題となるようにこちらがピックアップして出題していました。
指導の時に
- 何を考えていたのか
- どうやって解いたのか
- 何故その解法を選んだのか
- 他に方法はあるか
- なぜ解けなかったのか
ということを重点的にディスカッションして、生徒の頭の中をのぞかせてもらいました。
そうすることで考え方のクセを把握することができ、本質的な問題が理解することができます。
生徒側も自分の頭の中を整理して話す必要があるので、数学力が伸びていきます。
大学数学ゼミでは当たり前ですが、数学力を伸ばすのはこういった議論がベースになっています。
結果
指導途中で推薦合格を勝ち取ったため、指導は途中でおしまいとなりました。
ですが結果的には青本で5割越えの得点を最後に取ることが出来ていました。
青本には本番と同じレベルの問題が5年分掲載されています。3回分まで解いてもらって、結果は下記の通りです。
青本1回目 | 102点 |
青本2回目 | 99点 |
青本3年目 | 132点 |
見て頂ければわかると思いますが、2割しかとれなかったのがウソのように4割以上で安定していて、最後は5割を超えています。
残り数回の指導でしたが、正直本番でも5割は余裕でいってただろうなと思います。
依頼について
受験間近でお困りの方・数学を得点源にしたい方からの依頼は常時受け付けています。
数学の基礎を終えていて、演習問題を使って実践演習をする段階になったときにご依頼いただけば一番効果的かと思います。
数学科を首席で卒業した私が、考えうる限りのサポートをさせて頂きます。
だいたい3か月もあれば得点は伸びます。1ヶ月でも今回のように伸びる事はありますが、本人次第のため出来るだけ余裕をもってご依頼ください。
また受験指導の依頼については、生徒の人生もかかっているため、お力になれないと判断した場合はお断りすることもございますのでご理解ください。