まずは"英語は楽しい"と親が思う
日本人として毎日日本語を使っていて,敬語や漢字等,面倒だと思うことはあるかもしれません。
ですが
と思う人はほとんどいないと思います。
反対に,英語に自信がある人であっても,日本語が使える場面ではできるだけ日本語を使いたい,と思うでしょう。
その違いは,母国語かそうでないかの違いだけではないと思います。
やはり間違ってはいけないという気持ちがあるため,英語を使うと疲れるのではないでしょうか。
日本語ですら未完成の子どもは,本来言葉を覚えていくのは楽しいことで,間違ってもどんどん使うことができます。
- 英語は難しい
- 覚えなくてはいけない
- 早くできるようにならないといけない
などといったプレッシャーを親が子どもに感じさせなければ,自然と楽しいと思うはずです。
そのためには,親が「英語は楽しい」と思うことが大事だと考えます。
1いろんなものが教材になる
ある程度の年齢までは,子どもは身の周りにあるものをなんでもおもちゃにして遊んでいます。
大人がわざわざ買った手の込んだおもちゃよりも,同じぬいぐるみや積み木をずっと使っていることもあるでしょう。
英語の教材も同じで,これを使って勉強しなさい!と立派なDVD・CD・本を与えるよりも,元々持っているものを使うと,子どもが自然と英語学習に取り組むことができる可能性があります。
英語学習の入り口としては
- 好きなぬいぐるみを使ってHello!やWhat’s your name?といった会話を楽しんだり
- 積み木を使って数を数えたり
- ボールの色を言いながら投げたり
- 普段していることにちょっと英語を付け加えたり
これらだけでも十分です。
読み書きでも,最初はお絵描きをしたところに単語を書き添えてあげましょう。
あとは,やっぱり子どもは(大人もそうですが)ゲームが好きです。
英語でしりとりなんてできたら,お出かけ先での暇つぶしにもなりますし,単語は知っていてもスペリングが不確かな単語が見つかったら,今はスマホがあるので,その都度調べることができます。
少しレベルが高くなりますが「SCRABBLE(スクラブル)」というボードゲームもおすすめです。
マス目の上にアルファベットを並べて単語を作っていき,最終的に得点を競うというものです。
ルール
- 既にボード上にあるアルファベットにつながっている必要があること
- それぞれに配られるアルファベットが7枚しかないこと
簡単そうにみえて意外と頭を悩ませます。
使いづらい文字(Z ,X,Q等)ほど得点が高くなりますし,用意されている枚数も文字ごとに異なっており,思ったよりも白熱すると思います。
2親子のコミュニケーションになる
言葉を覚え始めたころの子どもは,ひたすら「これは何?」「なんで?」と聞いてきます。
それらを英語でやりとりするのは大変だと思われるかもしれませんが「楽しむ」「恥ずかしがらない」という気持ちがあれば大丈夫だと思います。
親が恥ずかしそうにしていたら,子どもは自信を持って英語を使えません。
まずは毎日のあいさつや,注意することを英語ですることから始めてみましょう。
- 朝起きたら「Good morning!」
- 幼稚園に行く前に「Have a nice day!」
- テレビに近づきすぎていたら「Stay back!」
- 好き嫌いをしていたら「Eat them all!」
少しずつ自分の意見を問うような質問(Where are you going? → My friend ○○’s home.)にステップアップをさせていけば,無理のないコミュニケーションがとれます。
家の中で自信を持ってやりとりができるようになったら,お出かけ先でも英語を使ってしまいましょう。
例えば動物園に行けば
- 普段本や映像でみている動物が目の前にいて,子どもは興味津々
そこで英語を使えば,印象にも残りやすいです。
成長していく中では,ぱっと英語が思いつかなかったり,日本語でも答えに窮する質問もあったりします。
そんなときは親もいっしょに勉強すれば一石二鳥です。
3日々の進歩が分かりやすい
子どもがしている習い事で,英語以外に人気のあるものには次のものがあります。
- 男女共通でスイミング
- 女の子はピアノ・バレエ
- 男の子は習字やサッカー
人によって感覚が違うかもしれませんが,スポーツや芸術はコツをつかむと一気に上達するので,成長が階段状になるイメージです。
一方で英語学習は,日々緩やかな坂道を上るように,一つでも言葉が増えると単純に親も子どももうれしいものです。
だからといって
とかいうノルマを小さい子どもに与えるのはあまり得策ではありません。
最終的な目標を「4技能(読む・書く・聞く・話す)をバランスよく身につけたい」というところに置いた場合,それぞれに関係はありますが,独立した部分もあるので,学習の比重を都度見直すことも可能です。
子どもの関心も変わっていくでしょうし,長年読み書き偏重と批判されてきた学校教育も徐々に変わっています。
1歳や2歳から始めれば当然
- 聞く
- 話す
- 読む
- 書く
という日本語と同じイメージですが,もう少し大きくなって4歳や5歳から始めたら,先に読み書きをさせてもよいかもしれません。
今は英語教育に力を入れている幼稚園も増えていますので,いろいろな面から子どもの様子をみて,学習を進めていくことができます。
スポーツや芸術の分野は複数の先生がいると子どもが混乱しますが,英語は技術というよりも言葉ですから,親が強く関与できるのだと考えています。
親も楽しく成長していくべし
大人がみていて,よく飽きないなあ,と思うほどに好きなことには集中力を見せるのが子どもの特徴だと思います。
スポーツや芸術の分野では,ここ最近一層活躍する年齢が下がっていますが,ときには苦しいときがあっても,好きだから続けてきたという人が多いはずです。
親の立場からは,どうしても周囲の子どもと比べたり,少しでも早く上達してほしいと思ってしまったり,と焦りが出ることもあります。
ですが、小さいころから英語学習を始めるメリットは「とにかく時間がある」ということですから,ぜひ落ち着いて見守ってください。
英語習得には10年かかると言われています。決してあせらないで下さい。
そうすれば,子どもが楽しいと思う気持ちを失うこともないはずです。