現実と理想のギャップ?完璧主義者が勉強を頑張りすぎて鬱になる話

受験勉強、資格試験勉強、就活、仕事。各段階で私達は頑張らないといけないことが色々とあります。頑張って成果を残して認められれば嬉しい反面、成果がでなかったり、もう頑張れなくなった人も少なくはないはず。

仕事を頑張りすぎて、勉強を頑張りすぎて、他の人はもっと頑張ってるんだと自分を追いついめて、体調を崩す人もいます。

今回はそんな、頑張りすぎることも考えものだというお話をしたいと思います。

鬱になると本当に大変

うつ病は、気分障害の一種であり、抑うつ気分、意欲・興味・精神活動の低下、焦燥(しょうそう)、食欲低下、不眠、持続する悲しみ・不安などを特徴とした精神障害である。(出典:wikipedia

やる気がなくなる

鬱になるとやる気がなくなります。

”あれがしたい、これがしたい”

こういう思いが沸かなくなります。モチベーションのようなものが消えて、ただ漠然と生きるようになり、なぜ自分が生きているのかわからなくなります。

”やる気が沸かないなぁ、ちょっと休憩するか”

なんて思いも沸かなくなります。何もしてないのに疲れていて、やる気がわかないという思考すらできなくなります。ぼーっとしているだけ。

やる気の波がある人もいる

うつ病にもいくつか種類があります。自分の好きなことなら出来る人、好きなことすら嫌になる人。朝になれば気分が高揚する人、夜になれば高揚する人。じっとしていられなくなる人、動けなくなる人。さまざまです。

特に、気分が高揚したりやる気が突然湧いてくるタイプの鬱の人は周りから勘違いされがちです。自分の好きなことだけやって、結局嫌なことから逃げているだけだと。

睡眠バランスが崩れる

眠ったり眠らなかったり、そういったことが自分の意志ではコントロールできづらくなります。いわゆる慢性的な睡眠過多、もしくは慢性的な睡眠不足の状態に陥ります。

いずれの場合もホルモンバランスが崩れ、自律神経が乱れるようになり、頭痛や倦怠感、眠気などに苦しむようになります。それによってまた疲れがたまるので、睡眠過多の人はより長時間眠るようになったり、睡眠不足の人はストレスから更に眠れなくなります。

楽しみのご飯?

ご飯を食べなくなったり、もしくは過食の傾向も現れます。一人暮らしで鬱になると大変で、ご飯を作ることが面倒などころか、ご飯を食べることも面倒になってどうでもよくなって、やせ細っていく人がいます。1日1食簡単なものですませることも。

一方で過食の人は寝ては食べて寝ては食べて、やることがないから食べて、そういうことを繰り返して不健康に体重を増やしていきます。

うつ病関連書籍

鬱になる人

鬱になる人にもある種の共通点が見られるようです。完璧主義者、頑張り屋さん、そして優秀な人たちです。

完璧主義者

完璧主義者の人は鬱になりやすいです。完璧に物事をこなさなければストレスがたまります。少しでも理想と現実にギャップがあると自分を叱責してしまいます。

”こんなんじゃまだまだダメだ”

特に完璧主義者が陥りがちなのは、直前に書いたとおり、現実と理想とのギャップに苦しむことです。ギャップが一旦生まれればそのギャップを埋めるためにまた理想が高くなります。

ギャップを埋めるためにはどうすればいいかを考えて、理想を更に高くあげて、それが完遂できなければ更にギャップが広がっていくという、負のループに陥ります。

気づいたときには理想が高すぎて、現実の自分を受け入れることができなくなり、生きていくことが辛くなります。

頑張り屋さん

頑張り屋さんも鬱になりやすいです。頑張ることは一見素晴らしいですが、やりすぎてしまうと体にも精神的にも毒になります。

巷では努力だ、才能だ、努力も才能だ、なんてことが色々ささやかれてはいますが、頑張り屋さんは自分に才能がないことを認めてもしっかりと努力が出来る人です。

頑張り続けているときは脇には目も触れず努力し続けることが出来るのですが、ある日ちょっとしたことがきっかけで”糸”が切れます。プツンと切れます。

普段頑張ってた人の糸が切れたら、周りの人には普通にもどったようにもみえるのですが、頑張る糸がプツンと切れてしまったその人の心の中は大変なことになってます。

頑張ってきた慣性が働き、糸がきれた後も頑張ろうとするのですが何もうまくいきません。やる気は沸かないし、頭も回らない。原因がすぐに分からない場合もある。そして心の中の糸が切れたと認識できたとしても、修復ができず鬱になります。

優秀な人

優秀な人がなぜ鬱に陥りやすいのか?完璧主義者のように理想とギャップがでかいわけではなく、努力だ才能だの議論をせずとも世間から認められる優秀な人間。他者から評価され、自己肯定感も強くなりがちなのに、なぜ鬱になるのか?

”莫大なプレッシャー”

ひとえにそれが原因です。優秀な人間だと認識されると、優秀な人間であり続けようと思うものです。優秀な人間とはどうあるべきか、何を期待されているか、そういうことを考えがちになります。

人の期待に応えていくことが、最初は何とも思わなくても、そのうち重荷になってきます。

”すごいね、さすがだね、次も頑張ってね”

数々の賞賛の言葉が鋭い刃となって優秀な人の心をえぐっていきます。その人を苦しめる必殺トドメの言葉は

”期待してる”

です。皆それぞれ、自分にどの程度の才能があるかなんて知っています。そのうえで、自分には才能がないと思うものです。才能を他人から期待されると、無い才能をカバーするための努力が必要なわけです。つまりさらなる努力とその成果を期待されるわけです。

そんなプレッシャーに誰が耐えられるでしょうか?一流のスポーツ選手が一流足る理由は、そのプレッシャーに耐えられるからです。

うつ病の治し方

私の経験談

アメリカから帰国後、心療内科へ行ってきたんですが、私も鬱にかかっていると診断されました。

バカなのに頑張りすぎた

私はもともと頭が良くなく、高校も偏差値43のいわゆるバカ学校出身です。たまたま好きな数学を勉強し続けたらそこそこの大学に合格しただけです。将来の出世を考えると、世界一大嫌いな英語の勉強をして海外の大学院で博士をとったほうが良いだろうと頑張って精神を疲労してきました。

周りの賢い人達に目もくれずに、分不相応な頑張りをし続けてきて、やっとアメリカの大学院に留学できたのが去年のことです。そこでは優秀な人たちがいっぱいいて、自分の努力が足りていないことを実感させられました。

好きだった数学の勉強も思うように進まないようになり、なぜ勉強しなければいけないかもわからなくなり、大学での交友関係は皆無で、ただひたすら孤独に悩み続け、一時帰国するときにはひどい精神状態に成り下がっていました。

好きにいきてみよう

3ヶ月ぐらいの間、ほぼずっとベッドの上で過ごし、家族にご飯を作ってもらってなんとか生活していました。

基本的にやる気もなくて動けないのですが、じっとしていられないときもたまにあって、深夜誰も居ない街や公園を徘徊してその場に座り込み数時間体育座りして夜を過ごしてました。さすがにこのままではヤバイと考え、うつ病の診断書を大学へ送りつけて、休学をとったのがつい最近の出来事です。

1年の休学をとったので、自分の好きなことを好きなだけやってみようと思います。とは言っても、休学申請して2ヶ月くらいたった今だから普通に好きなことができるようになったわけですが、当時は何をする気力もわきませんでした。

朝は大好きな我が家のわんこと一緒に散歩にいって、昼はジムで運動をして、夜は塾でアルバイトもしはじめました。何も考えずに出来るルーチーンを決めてそれ通りに行動することが、とても楽です。

カフェにもよく行くようになり、英会話サークルで友達を作り、頻繁に遊びに出かけて、昔の自分を取り戻しつつあります。好きに生きるのって、すごく大事です。

さいごに

うつ病は人から理解されづらい症状ばかりですが、他人を気にせず好きに生きていくことが、だらしなく生きていくことが治療の近道です。

完璧主義で、頑張りすぎて、人から優秀に見られる人はうつ病になりやすいので気をつけてください。もしなってしまったら、社会から逃げ出すことが一番大事です。こんなクソみたいな社会、こっちから距離をとってやりましょう。

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