偏差値43の高校出身の私でも1200時間ほどで東大・京大数学が8割取れるようになりました。
そこで今回は、今も大学院で数学を勉強する私がオススメする参考書を難易度にそって紹介します!
誰でも数学が得点源になる
偏差値30〜50
教科書
難易度 |
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学習時間 | 40〜60時間 |
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1:オススメする理由
教科書は一通り学校でもやるわけですが、数学ができる人は教科書の重要さを知っています。
センター試験で微分の定義を問われたり、東京大学でも一般角と三角関数の定義をして加法定理を証明せよ、という問題が出ました。教科書をしっかりと勉強していればただのサービス問題です。
数学という学問は定義の理解が一番大事で、定理や公式を自分で導くことで本当の意味で定義が理解できます。
その意味でも、教科書を勉強する必要性はあります。
2:勉強方法
一通り学校で勉強が終わってる方は定義を確認して定理を証明していきましょう。
練習問題だとかを解く必要はありません。問題を解けるかどうかは参考書で補うべきで、教科書は数学概念の徹底理解をするためのものだと考えてください。
全くの初学者で何を習ったかも覚えていない人は上で書いたことに加えて、練習問題も全部しましょう。
3:所要時間と対象
初学者でも40時間から60時間で1周が終わります。2周する必要はないですが、学習後は辞書のように使いましょう。
対象
- 青チャートが解けないレベルの人
- 数学偏差値60を超えた人
偏差値が高い人の中にも、問題は解けるけど定義を正確に言えない人が多いです。
数学では定義が一番大事なので、チャチャっと教科書を使って復習してください。そんなに時間はかかりません。
数学が苦手な人はこちら
偏差値45〜60
黄・青チャート
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学習時間 | 100〜140時間 |
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1:オススメする理由
数学の参考書といえば定番のチャート式ですね。
基本例題と演習問題が豊富にあって、高校数学で必要な公式や概念を一通り使わせる参考書。
加えて、問題の難易度もバラエティーに富んでいて、教科書レベルからセンター試験、中堅大学の入試本番レベルと幅広く対応できる。
2:勉強方法
fa-bullhornオススメ度は抜群に高く、教科書の後は絶対にこの参考書をすべきだと断言できますが、参考書の使い方を間違えると時間の浪費になるため注意が必要です。
黄チャート・青チャートで学ぶべきなのは各単元の問題の解き方ではなく、数学の基本的な取り扱い方です。
各単元での条件の扱い方、式の扱い方を学ぶのがチャートです。
ひたすら問題を解けばいいわけではありません。勉強する姿勢としては、数学の作法を学ぶ段階だと思ってください。
チャート式の学習方法
基本例題、演習問題をベースに勉強をします。基本例題は理解しながら読んで、演習問題は基本例題の枠組みを確認しながら解いていきましょう。
なるべく最初の5分は基本例題でやったことを思い出しながら、自分で解こうとしてください。
数学は自分で考えた分だけ成長します。解くことではなく、考えたことで成長します。そのことを常に考えて、時間が勿体無いからと答えを写して満足するだけの勉強にはならないでください。
一つの単元が終わった後は、章末問題Aで理解度を測ってください。
6割以上の問題が初見でクリアできていれば順調に理解できています。8割以上解けたのならもう次の参考書に行っても構いません。
7、8割以上できた方は、章末問題Bにも挑戦してください。そこでも7割以上できていれば、ほぼ理解はできています。
3:所要時間と対象
所要時間は、例題と基本問題と章末問題だけを勉強すると、だいたい1冊で1周100~150時間程かかります。2周だと200時間程度です。
チャートはすごく時間がかかるので、勉強を始める前にどういった人が勉強すべきかを知る指標が必要ですよね。
簡単なのは章末問題Aを解いてみて、初見で7割以上解けるのであればチャートを勉強する必要はありません。より難易度の高い参考書で数学力を研ぎ澄ませましょう。
ちょっと一言
fa-hand-o-rightチャートは網羅性が高い反面、とても時間がかかります。私感ですが、1A、2B、3の全てをチャートから始める必要はありません。時間の無駄です。
もちろん、高校1年性なら時間がたっぷりあるので全てのチャートを勉強してもいいでしょう。
2年生であれば1Aをする必要は全くありません。2Bと3だけで十分でしょう。
もしくは、数学の基礎力がすでについている方はチャート式は飛ばして次のレベルの参考書に手をつけるのも正解です。
上でも書きましたが、チャートレベルの問題で学べるのは数学の基本的作法です。低い山をどう乗り越えていくか、それを学びます。これはチャート式どれか1冊を勉強すれば十分に学べます。
よって、チャート式を1冊どれかを真面目に勉強した後なら、たとえ新しく習う分野であってもチャート式をする必要はありません。次のレベルの参考書にうつることがベターです。(もちろん時間があればチャート式を使ってもいいですが。)
私自身、チャートは2Bしか勉強していませんが、2Bを勉強した後は1Aはできるようになってますし、3Cは教科書からいきなり次の難易度の参考書を使っても、普通に勉強できました。
偏差値50〜65
1対1対応の演習
難易度 |
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学習時間 | 60〜80時間 |
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1:オススメする理由
コンパクトに纏まっていつつも、重要な概念を1つの問題で複数使う、入試本番で問われるようなそういう典型的な問題が扱われています。レイアウトも綺麗で、勉強する気になるのも良いです。
なんといっても、この参考書の一番いいところは、しっかりと勉強をすればどの大学でも合格点は取れるようになるということです。
東大ですら、1対1対応をしっかりと勉強するだけで、2次試験の合格者科目平均の最低点である5割はカバーできると思います。
それぐらい質のいい問題を扱っていて、そして解答の質もいい。
基本的にはこの参考書までしっかりと勉強すればどの大学でも通じるレベルになります。
2:勉強方法
全ての問題の質が良いので、1問たりとも無駄にしてはいけません。
例題も練習問題も、全て最低20分は考えるようにしてください。試行錯誤してください。数学力は自分で考えている時に一番伸びます。
わからなかった問題の答えを見て、解答を読んでみてもわからない場合、その解答を理解するのにも時間をかけてください。
書いてあることを理解することも数学の勉強ではすごく大事です。いわゆる「行間を埋める」勉強も数学ではすごく重要になってきます。
行間を埋める勉強とは、分からない箇所を自分で分かるまで考えることをいう。
ある程度考えて、ある程度解説を読んでも理解できない、そうなったら人に聞いてください。
何度でも言いますが、自分の頭で考えることが一番数学力を上げます。わからない問題に出会ったらラッキーです。
3:所要時間と対象
所要時間は1周60〜80時間程度です。
対象は数学の基本的な取り扱い方をマスターしている人です。
- 文系:
数学を得点源にしたい人 - 理系:
最低点は確保したい人
そういう人がすべき参考書です。
参考書を始める指標ですが、2つ3つ問題を解いて解答を見てください。解答がすんなり理解できるようであれば、この参考書をスタートしても良いです。
難関理系大学を目指す方で
と考えるひともいると思います。そういう人は、問題を見ただけで7割方解答方針が浮かぶようであれば、1対1対応ではなく次のレベルの参考書に進みましょう。
偏差値55〜70
スタンダード演習
難易度 |
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学習時間 | 80〜120時間 |
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1:オススメする理由
そういう人にオススメです。
ただし1対1対応とあまり難易度は変わりません。
よって、解法を学ぶだとか、数学の概念を理解するだとか、そういう参考書ではなく、典型的な入試問題演習のための参考書です。
いわば仕上げの参考書です。
難関国立文系の最終仕上げ
2:勉強方法
1対1対応と同じく、基本的に20、30分は最低でも考えましょう。
各問題に難易度が設定されているので、自分がどの難易度の問題をどの程度解けたか、苦手な分野や傾向は何か、そういうところをちゃんと書いて、受験数学を研究していってください。
3:所要時間と対象
所要時間は1周100時間くらいです。
対象は理系志望で2次試験の数学で安定して6割とりたい人、欲をいえば7割とりたい人です。
1対1対応を勉強していなくても、解答を読んですんなり理解できるようであれば、早速このスタンダード演習での勉強を初めてもらっても構いません。
東大・京大、その他難関理系大学や医学部を目指す人で、合格最低点ではなく合格平均点レベルを安定してとりたい方は解くべきでしょう。
偏差値65〜
新数学演習
難易度 |
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学習時間 | 100〜140時間 |
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1:オススメする理由
ここまで難易度の高い問題を扱っておきながら、解法のバラエティーに富んでいて、数学の本質を垣間見させてくれるような参考書は他にないです。
このレベルの問題を自分で理解して解けるようになれば、どこの入試でも8割は安定して取れるようになります。
それくらい効果があります。
2:勉強方法
最低でも30分は考えてください。
もしすぐに答えが浮かんだのなら、別解を考えてみてください。
問題の質も高いこの参考書ですが、解答にも驚くべき発想がふんだんに散りばめられています。
全ての解答に目を通し、自分のなかに落とし込んでいきましょう。
3:所要時間と対象
1周あたり100時間ほどかかります。
対象は東大・京大、その他難関理系大学や医学部志望で数学を得点源にしたい人だけです。
それ以外の人には100%オーバーワークですし、そもそもそういう人はこの参考書の解答を見ても理解できないと思います。
難関大学入試で、とにかく数学を得点源にしたいという意気込みがある人のみが手にすべき1冊です。
ちょっと一言
実は他にもオススメする理由があります。モチベーションアップのためにも、ぜひ一冊本棚において欲しいんです。
一冊参考書を終えるたびに、1問解いてみる。そうして自分がどれだけ成長したかを実感して欲しいんです。教科書レベルから勉強を始めて、青チャート、1対1と進むにつれて、だんだん視野が広がっていくのが、この問題集を使ってわかります。
私も最初は解答見てもチンプンカンプンだったのに、青チャートを終える頃には解答が何となく理解できるようになり、1対1対応を終える頃には3割の問題は自分で解けるようになり、スタンダード演習を終える頃には6割は解けるようになりました。
こうして、自分の力を確認できる本を1冊置いておくと、精神的に楽になります。
更に高みを目指すなら
苦手分野を克服
一通り数学の勉強は終えたけど、苦手分野がまだあるという人もたくさんいると思います。そんな人に分野別のオススメ参考書を紹介しておきます。
ベクトルはこれだけ
この参考書は問題を解くというよりも、ベクトルという概念を根底から理解するという主旨で書かれているので、読み物としても使えます。
トイレに飾って、暇なときに読むのにも十分使えるので1冊どうぞ。
数列を全てカバー
ベクトルの集中講義と同じ系列の参考書です。数列が苦手な方は絶対に読むべき1冊です。
数学的帰納法のびっくりする使い方から、数列の一般項を求めるほぼ全てのパターンがのってます。
この参考書さえ勉強すれば、漸化式から一般項を求める問題なんてもう怖く無くなります。
こちらも読み物として使えるので、数学が得意な方もぜひ1冊お手元にどうぞ。
微積分で満点を目指すなら
微積分の計算はとても複雑で、テクニックは多岐にわたりますが、その全てが網羅されている参考書。
これ1冊で微積分の関連分野は満点が取れます。他の分野は落としてでも、絶対にここだけは落とさない、そういう完璧な対策ができるようになる参考書です。
なかには、極限の交換や分配、積分の直感的定義などについて言及していて、高度な内容もありますが、基本的には大学入試レベルの微積分を完璧に網羅している参考書です。
整数問題や確率問題は発想が大事だったりするので、ゴリ押しで解ける微積分の分野はこの1冊で必ず完璧にしておきましょう。
整数コンプレックスを解消
言わずと知れた整数問題の最強の参考書。これさえ真面目に取り組めば、入試問題の整数なんてお茶の子さいさいです。
整数問題を解く際にあたっての基本的アプローチを身に付けることができる、ベストな参考書です。
ちなみに私の初参考書
偏差値43の高校にいた私が、人生で初めて数学の勉強を始めた時に手にした参考書でもあります。
青チャートと並行して勉強していましたが、十分楽しく勉強できました。
これ1冊で全ての大学の整数問題に対応はできるようになりますが、整数分野自体が発想を要する分野なので、いくら勉強しても試験当日に思いつかなければ解けないなんてこともあります。
したがって、整数対策の優先度は一番低くて構いません。もう他にするべき勉強がないと思ったら、この本を勉強しましょう。
確率は0点か満点か
確率が苦手な人は何か考え方に穴があるはずなので、これを勉強してその穴を埋めて下さい。
確率問題は考え方に穴があると1問まるまる無駄にしてしまうので、押さえておきたい分野です。
1問捨てるか、1問完答するか、それが確率の問題なので、完答する必要がある人はこの1冊で完璧にして下さい。
買うだけで満足しないように
参考書の使い方がわからない、どこから始めればいいかわからない、そういった質問があればコメント欄かお悩み相談室から気軽に質問ください。
絶対に、参考書を買うだけで満足しないようにしましょう。
いただいた参考書Q&Aコーナー
僕は国立志望なのですが、問題集選びに迷っています。教科書併用の問題集である数研の「4STEP」か、数研の「スタンダード数学演習」かのどちらかで悩んでいます。学校では、受験対策用としてスタ演が配られているのですが、教科書で理解した事柄をもう少し、定着させたい気もします。(教科書の内容は全て理解していますし、章末問題も自力で解くことは出来ます。なので、個人的な経験則から判断するに、教科書を何周かすれば、教科書併用の問題集が無くても(メインに解かなくても)大丈夫な気もしています。)
しかし、スタ演だけを解くことにも、前述の通り、不安があります。このような場合、どのようにすれば良いでしょうか?ちなみに、高校3年生です。
追伸 スタ演は、かなり時間は掛けますが(1ページ2日ほども…)自力で解けないことはありません。
もしくは、スタ演と、オススメされている新スタ演ですと、どのような違いがあるかどうか、尋ねてもよろしいでしょうか?
もしレベルが違うのでしたら、(スタ演の方が、簡単であるならば、)スタ演に時間がかかりすぎているということは、やはり基礎が足りないということにもなると思うので‥。分かりにくい文章ですみません!お返事待っています☆
4ステップの難易度は把握していませんが、スタ演をやってみて行けそうならそれで大丈夫です。1日2ページとありますが、全ての問題を設定された時間分だけ考えてみてその時間なら、全然問題ないと思います。
参考書の違いについてですが、スタンダード演習は1A2B、新スタンダード演習は数学3の範囲を網羅しているだけの違いかと記憶しています。
国立の何学部志望かによってお答えは違いますが、新数学演習(最難関)の一歩手前の参考書がスタンダード演習等であるので、夏までに仕上げられるペースであるなら、時間がかかりすぎているということもないでしょう。基礎は確かに大事なので、4ステップが基礎を網羅しているなら、そちらをしても良いとは思います。
私のオススメは、スタンダード演習ができるならそのまま続けて、どうしても何か根本的なところで詰まっていると判断した際に基礎にまた戻るということです。
医学部受験ということもあって、数学を得点源にしたいと考えております。毎日5時間程度、年間1800時間程度を数学に充てたいとおもい、ぺんたとんさんの記事を読んだうえで、数研出版のⅠAⅡBⅢを入手し日々勉強しております。
3年前の受験にて、青チャートでは問題数が膨大で取り組む時期が遅かったのもあり挫折経験があります。
教科書から1対1対応でも難なくとりくめるでしょうか?(ぺんたとんさんが、青チャートⅡBのみをしたのは拝読しました)
青チャートは数式の処理の仕方や数学上の手続きを学ぶものなので、そこに特に問題を感じないのであれば教科書の後すぐに1対1に手を付けても大丈夫です。
どうしても不安はあるとは思いますが、1対1を少しやってみて、解答が理解出来るのであれば問題ありません。欲を言えば、例題を見ながら解いた後に、演習問題を自分で5割解ければ1周目にしては十分です。
ただ、教科書から1対1対応にいくのであれば、可能であれば教科書に書かれている公式や定理の証明くらいは全部やっておくといいです。そんなに時間はかかりませんし、絶対に損はしません。
最後に、私個人的には青チャートの必要性はそこまで感じていませんが、1対1をやってみて、どうしても苦手な分野だけ青チャートに戻るという方法もありです。
→演習問題を解く...
という形で進めていこうかと考えています。
解けなかった問題に関しては、別の記事で紹介されていたように
2~3周としいけば良いでしょうか?
また、計算力がないのもネックでして、計算力の向上のために
お薦めの方法または、問題集などはあるでしょうか?
必要な計算力は問題を解く上で鍛えられますが、計算ミスなどの単純ミスは計算に集中できないことで起こります。計算をしながら次の行程を考えていたり、その計算が合っているか不安を感じているときに特に起こりやすいです。対策としては、計算は計算、論理は論理で分けて解答を考えていくといいです。(これは慣れるまで難しいです)
ちなみに、受験数学で必要な計算は因数分解、微積分、三角関数の諸計算だけなので、計算力を上げる対策をする必要は特にありません。