
塾講師をしていた時代よく生徒から聞かれたことがあります。
大学院で数学を専攻する数学マニアの私が、今回はそれにこたえていこうと思います!
参考書をまわす3パターン
「はあ、数学がわからない。勉強しても勉強しても、忘れていく。何周したら出来るようになるんだろう。繰り返しが大事なのは分かってるけど、そんなに時間に余裕も無いし。かといって理解できてないのに先に進んでもな。」
なんてお困りの方、結構多いと思います。数学は何周すべきかという疑問に対して、今回はいろんな視点から私なりの考えを伝えたいと思います。
- 1周で理解出来る人
- 1周で理解できたと勘違いする人
- 同じ参考書は1周しかしない人
その1;1周で理解できる天才
天才です。他に言うことはありません。
教科書を読んだだけで東大の問題が解けるようになるレベルの人です。この人たちの勉強法は私たち凡人には無理でしょう。
その2:1周で理解できたと勘違いする人
一番最悪なパターンに陥ってるパターンがこれです。
これではいつまでたっても数学ができるようになりません。
数学の参考書において何十周もする必要は無いですが、1周でできたと勘違いしてしまうのは非常に危ないです。
勘違いかどうかの判定法は、問題を見返したときに解法がすぐに浮かぶかどうかです。それで判断してください。
その3:同じ参考書は1周しかしないが
1周で理解できるとは思ってはないが、同じ参考書は1周しかしないという人です。
この人たちがとる勉強法は、メインの参考書を定め、同レベルの参考書もいくつか見ることです。
同じ問題ではなく、似たような問題をこなしていくことに本筋があります。
数学の本質は結局どの問題集でも同じなのでこの方法が一番ベストかなと思います。
同じ参考書の周回はしないものの、実質的には同レベルの参考書で周回しているということですね。
2、3周で満足する人たち
同じ参考書は2、3周で満足するのが一番効率的かと思います。
2周で満足する人
1周で完璧に把握した、なんてことは思わず、堅実に2周する人です。基本的に2周で満足する人は、もし必要であれば3周します。
1周目は完全に自分でチャレンジしてみる。2周目は1周目で出来なかった問題にもう一度しっかりとチャレンジしてみる。1周目で出来た問題は、口頭で解法が説明できるか挑戦してみる。もし2周目を終了した時点で8割の正解率がなかった場合、3周をすることも視野に入れる。
3周で満足する人
安全を期す人です。根本的には2周で満足する人と同じですが、経験上3周目に突入した時に、案外抜けが多いことに気づいて、3周は必要だと結論づけた人たち。
もしくは、とりあえず3周は必要だと言われたから3周やる人たち。1周で出来たと勘違いする人たちよりかは、幾分かマシですが、こちらもある意味ではおバカさんです。
ただ、数学という学問は、すでに学んできた人の多くが3周もすれば十分だと言っているので、歴史に学ぶということを鑑みれば、とりあえずの3周はある意味では賢い選択かもしれません。でも欲を言えば、自分でマネジメントして欲しいですね。
7周もする人たち
はっきり言いましょう。無駄です。全く同じ参考書を7周もしないと理解できないような読み方をしているうちは、数学なんてできる様にはなりません。某ウェブサイトでは、7周する意味をうだうだと説いていますが、もう一度言わせてもらえば、無駄です。
ただ、一般的に言えば参考書を7周すること自体は実はそこまで悪手ではないです。その科目が数学じゃなければ。
数学の勉強は、量より質です。何回考えたかではなく、どこまで考えたかです。水の表面ばかりをバチャバチャして遊んだ気になるのを咎めはしませんが、水に手を突っ込むということが、数学の勉強では必要とされています。
英語や、その他暗記科目に関しては深く理解するというよりも、とにかく周回をするという方法は確かに最短の攻略法です。ですが再三言わせてもらうと、数学において同じ参考書を7周もする意味は皆無です。時間の無駄です。もしされている方がいたら、すぐにやめましょう。
もちろん7周して効果がでたという人の存在は否定しません。そりゃ7周もすれば効果は出ます。でも、もし7周をするなら、その7周を分配すると考えて、同レベルの参考書2冊を3周ずつした方が圧倒的に効率も網羅性もあって良いですよね。
基本的に数学の本質はどの問題でも変わりません。解法の暗記という観点から見ても、全く同じ問題を7回もまわして覚えるより、同レベルの問題2つを3回ずつ復習した方が良いのは明らかです。
まとめ
チェック
- 1周で理解できる人はそのままで良い
- 2、3周すれば十分
- 同レベルの参考書複数を1周ずつでも良い
- 2、3周で理解できないなら勉強法を根本的に見直そう
- 数学は回数よりも質を意識して勉強していこう
ちなみに私は、参考書は2周すれば十分派です。
※注意
これは数学に限った話です。英語や、その他暗記科目においては、深い理解よりも出会う回数が重要です。数学の勉強法をそのまま適用して、英語の参考書を2、3周して満足する様なことはやめましょうね。