【大阪大学合格】阪大数学1割だった生徒がたった3ヶ月で7割取れた方法

大阪大学志望の現役受験生の指導が終わりました。

11月の段階での阪大模試数学(河合・駿台)は1,2割でしたが、2月には過去問で7割取れるレベルになりました。

今回は”生徒の勉強の道筋”をメインに記事にしました。

3ヶ月あれば間に合う

夏までに基礎が理解できていれば毎日2時間の勉強で間に合う。

学習開始時の生徒のレベル

「数学の記述対策をしたことが無い」と指導依頼を受けたのが10月でした。

11月から指導を開始し、駿台・河合模試での成績や阪大実践模試などの点数をみて指導プランを立てていきました。

模試の各結果

受験数学の基礎力のようなものは”ある程度”あることが各種模試の結果からわかりました。

河合記述式模試で偏差値60

夏に受けた全統記述模試で200点中120点ほど取れていました。偏差値で言えば60程度でした。

6月のマーク模試で7割

6月の時点で数学のマークは7割取れていました。

英語 168/200
数学1A・2B 72/100, 76/100
国語 140/200
生物・化学 32/50、37/50
世界史B 32/50

阪大実践模試(駿台)20/200

11月の阪大模試では駿台で1割程度、河合で2割程度しか取れておらず、当時は冷や汗をかかされました。

結果が出たのは12月だったので、この時期に1割という数字を見ると焦りがでますよね。

生徒本人もそうですが、お母さんもかなり不安だったようで、不安を和らげてもらうため常にLINEで受験相談をしていました。

保護者との連絡は密に行うようにしています。宿題連絡、進捗状況、その他質問や不安な事があればLINEですぐに聞いてもらって、時間がある時に返信しました。志望校の最低点まとめや、合格の可能性、そういったデータをまとめて不安要素を潰してました。

数学基礎力は確実にあった

模試の点数だけでは実力が不透明なので、数学的実力を確かめるためにオリジナル問題を面談時に解いてもらいました。

下の画像が実際の問題になります。

初回理解度テスト

一見して分かるように、明らかに記述力が無い。説明問題でも数式の羅列が目立ち、数学の言葉をうまく使えこなせていなかった。

有理数と無理数の定義を理解していなかったり、微分の定義も忘れていました。

一方で、ユークリッドの互除法の使い方は理解しているなど、公式や定理の基本的な操作方法は知っていました。

「基本操作は知っているが数学の基礎理念は知らない」こういう生徒は結構多いのですが、この時期で数式の基本操作が出来ていれば、あとは概念を学んでいくだけなので指導者としては楽でした。

オリジナル問題全集

ちなみに、私の作った定義確認オリジナル問題は全部で10ページにも及びます。

これが全部出来れば高校数学の基本理念はマスターできているはずです。

自作問題集

高校数学の定義・定理の確認問題を単元ごとにまとめたファイル。必要に応じてこのファイルから問題を持ってきて、生徒のレベルを判断します。

定義理解・定理証明の重要性

東大で三角関数の加法定理の証明問題が出たり、センター試験で微分の定義を確認する問題が出たりしました。

このように、数学者は「定義と証明」をかなり重要なものとみています。それは、数学という学問が「定義と証明の繰り返し」だからです。

定義を理解して全公式・全定理の証明が出来るようになる。これが高校数学の勉強をする時に常に意識すべきことです。

高校数学で重要な定義と、それを使った証明問題をまとめたオリジナル問題を持っていますが、これをしっかりとこなすだけである程度基礎力が付きます。

生徒に課した宿題と勉強時間

最初の2週間は基礎レベル対策

指導開始から最初の2週間、11月前半は青チャートFocus Goldから「ベクトル」「数列」「整数」といった苦手分野からピンポイントで問題を出していきました。

得意分野は1対1対応から同じく毎日2,3題となるように出題しました。

この頃に意識した事

基本知識に確認漏れがないように、指導時に様々な角度から質問をした。

3週間〜1ヶ月半で標準レベル対策

指導開始3週間目から1ヶ月かけてスタンダード演習より宿題を出しました。

他の科目との兼ね合いもあり、数学が負担にならないように宿題量の設定をする必要がありました。

大阪大学(外国語学部)が第一志望だったので、スタンダード演習から類題だけを選んで1ヶ月で合計3周してもらいました。

とん
この頃には過去問で30〜40点は安定してとれるようになってたね

1ヶ月半〜2ヶ月半で過去問20年分

スタンダード演習が終わったのが12月中旬で、ここから大阪大学文系数学の過去問演習を本格化させました。

宿題は市販の参考書から問題を出していましたが、指導開始の11月から阪大の過去問20年分を授業で解かせていました。

指導内容は大きく分けて以下の通り。

  • 課題の不明点:
    解答を見てもわからない問題の解説や、全く解答が思い浮かばなかったときのための考え方を指導
  • 過去問の消化:
    1日で過去問1〜2題消化する。数日後に解き直すことも課題とした

合計20年分の過去問を消化しつつ、忘れないようにタイミングをはかって過去問復習を宿題として課しました。

この時点で50点には届くようになっていた。運が良ければ60点も。

2ヶ月半〜3ヶ月で演習問題30題

過去問20年分を消化したあと、流石に問題傾向はズレてくるので、私個人で最近の大阪大学の問題傾向と似た類題30題を探して宿題にしました。

毎日3題ずつ解いてもらいました。もちろん、阪大の過去問も3周以上する必要があるので、毎日1年分を1時間かけて復習してもらうことも宿題にしました。

結果的に、阪大の落としてはいけないレベルの問題を完答出来るレベルにまでもっていくことができました。

青本で7割とるようになる

2次試験の2週間前から阪大数学5年分(駿台模試)で実践形式で問題を解きはじめてもらいました。

結果的に、難易度が高い問題でも平均して6割は取れるようになり、年によっては7割に届くものもありました。

大阪大学(外国語学部)の二次試験の配点は英語が圧倒的ですが、数学でも7割とれれば十分に点を稼げると思います。

指導者として、務めは果たせたんじゃないでしょうか。

阪大外語の配点 満点
英語 300
国語 100
数学 100

センター結果&合否発表

センター結果

英語 87%
国語 74%
数学 71%
理科 71%
世界史 81%
センター数学対策の指導はしていないので、71%と低い結果になりました。

センター結果から合格率算出

滑り止めに合格できるかどうか、生徒本人だけでなくお母さんも不安で仕方ない様子だったので、3時間かけて作ったデータを渡しました。

近大はセンターで合格、関学はセンター利用(数学個別)で合格すると断言しました。

関大はボーダーライン上で可能性は半々ですが、数撃ちゃ当たるレベルなので合格するだろうと伝えました。

ちなみにセンターリサーチ結果は近大でC、関大関学はEやDでした。センターリサーチはあてになりません。生徒の二次力(個別力)の判断が出来ませんし、センターリサーチの統計は過去・現在のデータを使っているだけで、生徒個人の力を読み取ったものではないからです。

阪大二次に必要な点数データ

センターで点が悪くて落ち込んでいた生徒とお母さんのために、阪大二次に必要な点数をデータで視覚化して、まだ十分に可能性があることをお伝えしました。

自分で言うのもなんですが、ここまで真剣な指導者ってなかなかいないと思います。

過去4年分の入試データをまとめたり、30問の類題を探して自作課題を作ったり。

とん
本気で合格してほしいからね。お金をもらってもやる気のない生徒は指導しないのがポリシー

関大・関学・近大に全て合格

本人も親御さんも不安で仕方なかったらしいですが、受験した私学には全て無事合格しました。

不合格通知ももちろん届きましたが、受験には運も絡んでくるので、そんなものは捨て置いて構いません。

第一志望の阪大も合格

大阪大学(外国語学部)も無事合格しました。

本人の努力が実って良かったです。指導開始時に「この子は受かるな」とは思っていたものの、実際に受かって本当に良かったです。

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おわりに

いかがでしたか?

たったの3ヶ月で阪大受験現役生の数学の点数が1割から7割に伸びた課題・勉強法です。

結局のところ、学習者本人の努力がもっとも大事ですが、是非参考にしていただければと思います。